コラム
2026/10/20

外国人を雇用するとき、会社が最初に確認すべきこと

人手不足への対応や海外展開、多様な人材の確保などを目的として、外国人を採用する企業も増えています。

外国人を雇用する場合でも、労働基準法をはじめとする日本の労働関係法令が適用されるという基本的な考え方は、日本人を雇用する場合と大きく変わりません。

一方で、外国人を雇用する場合には、「その人が日本でその仕事をすることが認められているか」という在留資格の問題があります。

そのため、外国人を採用するときには、通常の採用手続に加えて、在留資格などについても確認しておくことが重要です。

まずは「日本で働くことができる人か」を確認する

外国人であれば、誰でも自由に日本で働くことができるわけではありません。

日本に滞在する外国人にはそれぞれ在留資格があり、その種類によって、就労できるかどうかや、認められる活動の範囲が異なります。

そのため、外国人を採用するときには、まず在留カードなどを確認し、

「どのような在留資格で日本に滞在しているのか」

「自社で予定している仕事内容に従事することができるのか」

という点を確認する必要があります。

単に「在留カードを持っているから働ける」と判断するのではなく、実際に担当してもらう業務との関係まで確認することが大切です。

在留資格と仕事内容が合っているか

外国人の採用では、「どの会社で働くか」だけでなく、「どのような仕事をするか」が重要になる場合があります。

たとえば、一定の専門的・技術的な業務を前提とする在留資格で日本に滞在している外国人について、採用後に予定している業務がその在留資格で認められる活動に該当するのかを確認する必要があります。

また、採用時には問題がなかったとしても、その後の配置転換などによって仕事内容が大きく変われば、在留資格との関係を改めて検討する必要が生じることもあります。

外国人を採用する際には、採用予定者の在留資格だけを見るのではなく、会社側でも「具体的にどのような業務を担当してもらうのか」を整理しておくことが重要です。

在留カードの確認も忘れずに

中長期在留者を採用する場合には、在留カードの確認も重要です。

在留カードには、在留資格、在留期間、就労制限の有無など、外国人を雇用するうえで重要な情報が記載されています。

確認する際には、有効期間だけではなく、就労制限に関する記載などにも注意する必要があります。

留学生など、本来の在留資格では就労が認められていない場合でも、「資格外活動許可」を受けることによって、一定の範囲でアルバイトなどが認められていることがあります。

この場合も、許可された範囲を超えて働かせることがないよう注意が必要です。

外国人にも日本の労働法が適用される

外国人従業員について、「外国人だから日本人とは違う労働条件でもよい」と考えることは適切ではありません。

日本国内で働く外国人についても、原則として労働基準法、最低賃金法などの労働関係法令が適用されます。

また、労働基準法では、使用者が労働者の国籍などを理由として、賃金、労働時間その他の労働条件について差別的な取扱いをすることを禁止しています。

外国人を採用するときにも、賃金、労働時間、休日、業務内容などの労働条件を適切に定める必要があります。

労働条件は本人が理解できるように説明する

外国人を雇用する場合、会社として特に意識しておきたいのが、労働条件についての認識の違いです。

日本語で作成された雇用契約書や労働条件通知書を渡したとしても、本人がその内容を十分に理解できていなければ、後になって、

「聞いていた仕事内容と違う」

「給与の計算方法を理解していなかった」

「残業について説明を受けていない」

といったトラブルにつながることがあります。

外国語での書面を必ず作成しなければならないとは限りませんが、本人の日本語能力なども踏まえて、労働条件を理解できる方法で説明することが重要です。

特に、仕事内容、勤務場所、賃金、労働時間、残業、休日、契約期間、退職に関する事項などは、採用時に認識を合わせておくことが大切です。

採用後に必要となる手続も確認する

外国人の雇用では、採用した後にも会社側で必要となる手続があります。

一定の場合には、外国人を雇い入れた際や離職した際に、氏名、在留資格、在留期間などを確認し、ハローワークへ届け出る「外国人雇用状況の届出」が必要になります。

また、社会保険や雇用保険などについても、「外国人だから加入しなくてよい」というものではありません。

それぞれの加入要件を満たす場合には、日本人従業員と同様に適切な手続を行う必要があります。

「採用してから確認」ではなく「採用前に確認」を

外国人雇用では、採用後になってから、

「この仕事内容で働いてもらって大丈夫なのか」

「現在の在留資格では予定していた仕事ができないのではないか」

と問題になると、会社にとっても本人にとっても大きな負担になります。

そのため、外国人を採用するときには、

・現在の在留資格は何か
・就労が認められているか
・予定している仕事内容と在留資格が合っているか
・在留期間はいつまでか
・労働条件を本人が十分に理解できているか
・採用後にどのような届出や手続が必要か

といった点を、採用前から確認しておくことが重要です。

外国人雇用というと、在留資格の問題だけに目が向きがちですが、実際には、入管関係のルールと通常の労務管理の双方を意識する必要があります。

初めて外国人を採用する場合には、採用を決めてから対応を考えるのではなく、予定している仕事内容や労働条件も含めて、早い段階から必要な確認を進めておくことが、採用後のトラブルを防ぐことにつながります。

 

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