相続が発生し、相続人が複数いる場合には、誰がどの遺産を取得するのかについて、相続人同士で話し合うことになります。これを「遺産分割協議」といいます。
しかし、「不動産を誰が取得するかで意見が合わない」「相続人の一人が分割案に反対している」など、話し合いがまとまらないことも珍しくありません。
では、そのような場合にはどうすればよいのでしょうか。
遺産分割協議には相続人全員の合意が必要
遺産分割協議を成立させるためには、原則として相続人全員の合意が必要です。
たとえば、相続人が4人いて3人が同じ分割案に賛成していても、残る1人が反対している場合、多数決によって遺産分割の内容を決めることはできません。
そのため、まずは相続人が誰なのか、どのような遺産があるのかを確認したうえで、全員が合意できる分割方法を話し合うことになります。
不動産の分け方、生前贈与、亡くなった方の介護への貢献などをめぐって意見が対立することもあり、当事者同士の話し合いだけでは解決が難しいケースもあります。
話し合いでまとまらなければ遺産分割調停へ
相続人同士の話し合いで遺産分割がまとまらない場合には、家庭裁判所に「遺産分割調停」を申し立てる方法があります。
遺産分割調停では、家庭裁判所の調停委員などが間に入り、それぞれの相続人から事情や希望を聞きながら、合意による解決を目指します。
裁判所を利用するといっても、調停の段階で裁判官が一方的に分割方法を決めるわけではありません。
相続人同士が直接話をすると感情的になってしまう場合でも、第三者を介することで、争点を整理しながら話し合えることがあります。
調停でもまとまらなければ遺産分割審判へ
遺産分割調停でも合意できなかった場合には、原則として「遺産分割審判」の手続に移ります。
審判では、家庭裁判所が、相続人それぞれの主張や提出された資料、遺産の内容などを踏まえて、遺産の分割方法を判断します。
したがって、遺産分割について話し合いがまとまらない場合には、基本的に、
相続人同士の協議
↓
遺産分割調停
↓
遺産分割審判
という流れで解決を目指すことになります。
なお、遺産の範囲や遺言書の有効性などについて争いがある場合には、別の手続が必要となることもあります。
弁護士に相談するタイミング
弁護士への相談は、遺産分割調停になってからでなければできないわけではありません。
相続人同士の話し合いが難しくなった段階で相談することで、法的な問題点を整理し、どのような分割案が考えられるのかを検討することができます。
弁護士に依頼すれば、他の相続人との交渉や遺産分割調停・審判への対応を任せることもできます。
特に、相続人同士の関係が悪化している場合には、弁護士が窓口となることで、直接やり取りをする負担を減らせる場合があります。
まとめ
遺産分割協議を成立させるためには、原則として相続人全員の合意が必要です。
話し合いによる解決が難しい場合には、家庭裁判所の遺産分割調停を利用し、それでも合意できなければ遺産分割審判によって解決を図ることになります。
遺産分割について相続人同士での話し合いが難しくなっている場合には、早めに弁護士へ相談することをご検討ください。
プルメリア国際法律事務所では、遺産分割をはじめとする相続問題についてご相談をお受けしています。遺産分割協議がまとまらずお困りの場合には、ご相談ください。